操体法の基礎(実践基礎)〜ひとり操体〜

ひとり操体

 さて、操体法の基本をつかんだところで、今度は一人でおこなう本格的な操体法の実践です。大切なのは、自分のからだの動きや感覚をよく観察することです。たとえば、腰を右に捻るのと、左に捻るのとでは、どちらが可動域が広いか、あるいは痛いのか気持ち良いのか。それを自分のからだの感覚で聞き分けるのです。これを「動診」と呼んでいます。「動」いて「診」るのです。
 そして、ここからがさらに重要な点ですが、動診したあと、操法に入る時は「痛い方」「不快な方」には決して動かないことです。気持ち良いと感じた方や可動域の広い方にだけ、操法を行ないます。
 ふつう体操やストレッチングなどは、左右前後など必ず対称に動いていきますし、とくに痛い方は頑張ってやったりしますが、操体ではそういうことはしません。常に気持ち良くて楽な方だけを積極的に味わいながら動いていくのです。
 どんな動作の時もそうなのですが、「呼吸の快法則」と「身体活動の快法則」(2ページ参照)にしたがって、必ず息を吐きながらゆっくり動いていきます。気持ちの良い限界点まできたら息を吸って止め、動きも止め、その快感覚を数秒間、全身でじっくりと味わいます。そして「もう充分…」と感じたところでストンと脱力すると同時に息をバサーッと吐くと、からだの歪みが自然に消失します。回数については何回でも良いのですが、基本的には「やりたいな」と思った回数が大切です。とりあえずは2〜3回といったところが無難でしょう。
 「たったそれだけでからだの歪みが消えるなんてまさか…ウソでしょう?」と思う方はまずやってみてください。大切なのは、自分の快感覚にしたがってゆっくり味わいながら動くことです。決して大きな力はいりません。自分のからだの感覚にじっくりと耳を澄ませてください。
 ストンと脱力したあと、急に動いたりせず、2〜3回気持ち良く深呼吸をしましょう。そうしてから初めに違和感のあった方向へゆっくり動いてみて、変化があったかどうか、楽になっているかどうかを確かめてみます。






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